夏休みの 野菜つくり
夏休み期間約40日ほどで、種まき~収穫までできる、暑さに強い作りやすい野菜をご紹介します。
ここでご紹介する品種は、プランターや、植木鉢などでも作れるので、畑のない方も是非栽培してみてください。
◎準備のコツ
≪プランターや鉢の場合≫
●20cm程の深さのあるプランターを使用します。
●土は市販の肥料入りの野菜培土を利用します。ピートモス等が成分に入った水はけの良いものを選びましょう。底にはゴロ石を敷くと、より排水が良くなります。
●土入れは、プランターの半分ずつ、たっぷり水を含ませながら、2回に分けて行います。
●コンクリートの上に直接置くと、熱で根が傷んでしまいます。木製で、かつスノコのように下に空間がある資材を利用します。庭に置くときも、ナメクジや他の害虫からの食害を減らすためにも、直接地面に置かず隙間を作るようにしましょう。
≪畑で栽培する場合≫
●できるだけ水はけのよい畑を選びます。タネまきの1か月前までに良質の完熟堆肥を1㎡当たり2~3kg施し、完全に土となじませ、水もち・水はけ・通気性のすぐれた土づくりを行います。
●種まきの2週間ほど前に、苦土石灰100~150g、有機配合肥料80gを施します。
●根をスムーズに伸ばすために、深さ10~15cm耕し、石や雑草の根などを取り除きます。
●発芽を揃えるため、畝の表面は平らに仕上げます。木の棒、缶やビン底などを利用し、播き溝や播き穴もできるだけ平らにします。
◎播種のコツ
●タネを播くのは夕方、少し涼しくなってからにしましょう。
●播種後たっぷり潅水し、その上に新聞紙を2枚ほど敷きます。さらにその上に開いた段ボール箱を重ね、2~3日は潅水をしなくても土が乾かないようにします。もし乾きが見られたら、新聞紙の上から潅水します。
●少しでも芽が土を持ち上げ、発芽してきたらすぐに被覆は除去します。とり遅れは徒長の原因になりますので注意してください。
◎管理のコツ
●夏は苗の徒長や病害虫が発生しやすいので、間引きを早めに行い、株間を広くとり、日当たりと風通しをよくします。
●潅水は朝、まだ地温が上がりきらないうちに行います。土の表面が乾いて白っぽくなってきたら潅水します。
多すぎる水かけは、根腐れの原因になりますので、注意してください。
●暑さ対策で日よけを利用するのも良いでしょう。日中の10時~15時くらいの高温時が特に効果的です。ただし周囲を囲いすぎて、風通しを悪くしないように注意します。
◎お勧め品種
ミニハクサイ
タイニーシュシュ ~サカタのタネ~
暑さに強くて作りやすいミニ白菜です。
葉に毛がなく、みずみずしく食感が良いのでサラダ、炒め物や浅漬けと幅広く利用できます。
≪栽培のポイント≫
●15cm×15cmで植え穴をつくり、5~6粒タネまきして軽く覆土します。
本葉2~3枚のころに3株、6~7枚のころに1株に間引きます。
●水不足は生理障害や不結球の原因となりますので水やりはしっかり行ないます。
●アオムシに等に食害されるとそこから病原菌が入るので駆除を徹底します。
●タネまき後40~45日程度で草丈30cmぐらいになり、少し結球が始まったのが確認できれば収穫です。
ハツカダイコン
カラフルファイブ ~サカタのタネ~
赤・白・紫・ピンク・薄桃紫色のハツカダイコンで、サラダに彩りを添えてくれます。
葉は小カブに似た丸葉でやわらかく、根とともに一夜漬けにも利用できます。
≪栽培のポイント≫
●点播は条間10~15cm、株間2~5cmくらいのところに1cmほどの穴をあけて2~3粒ずつまき、双葉展開~本葉1枚ごろに間引きます。
●スジまきは、1cm間隔にまき、本葉が2~3枚のころに株間が3cmくらいになるように間引きます。
●本葉が5~6枚になり、根の太さが1.5cm~2cmになったら収穫します。収穫適期が短く、収穫が遅れるとスが入ったり、根が割れたりするので注意します。
●暑いと根形が乱れやすいので、できるだけ涼しい場所を選びましょう。
菜類
金光菜(キンコウサイ) ~武蔵野種苗園~
生育が早く、扇型で黄金色の美しい葉をもつ、暑さに非常に強い葉野菜です。
≪栽培のポイント≫
●条間15~20cmのスジ播きとし、本葉2~3枚になった頃、間引いて株間5~8cmとします。
●高温期での生育は早いので、とり遅れのないように注意します。
夏期7~8月では発芽後25~27日で葉長27cm以上となり収穫できます。
ミニパクチョイ
ロンフー ~武蔵野種苗園~
緑と白のコントラストが鮮やかなミニ野菜です。
繊維質が少なく、くせもないので炒め物・スープなどの色々な料理に適します。
≪栽培のポイント≫
● 条間15cm、株間15cmで、1箇所3~5粒ずつ点まきし、込み合ったところを少しずつ間引きながら、本葉が3~4枚になるまでに1本に仕立てます。
中国野菜
ヒユナ ~タキイ種苗~
熱帯アジア原産の、真夏の栄養価の高い野菜で、アマランサスやバイアム等とも呼ばれます。
緑黄色野菜として、βーカロテン、カルシウム、カリウム、ビタミンCを多く含み、ホウレンソウと同様、おひたし、いため物、汁の実、煮物、あえ物などに利用します。
≪栽培のポイント≫
●1m幅のベッドに条間30cmほどで1か所4~5粒の点まきをし、本葉が4~5枚になるまでに株間20~30cmに間引きします。プランターで栽培する場合は、バラまきし、込んだところを間引きします。
●草丈が20cmくらいに伸びたころ、摘芯してわき芽の発生を促し、わき芽が伸びてくれば3~4枚で順次収穫します。
●すじ蒔きし、草丈15cmほどの若いうちに刈り取るようにしても美味しく使えます。
ミニチンゲン菜
シャオパオ ~サカタのタネ~
切らずに丸ごと料理に使えるミニのチンゲンサイです。スジがないので大変おいしく、和・洋・中華料理のいずれにもよく合います。
≪栽培のポイント≫
●条間15~20cmでスジまきし、本葉3~4枚時までに株間5cmほどになるように1本に間引きします。
プランター栽培ではバラまきし、込み合ったところを間引きます。
●株元が張り始めたら収穫できます。生育はある程度でとまるので、長く収穫できます。